日本山妙法寺
日本山妙法寺藤井日達山主法話 要文
『日本山一門は国家権力の非道を恐れず諫暁せよ』
 宝塔建立工事禁止令に従って工事を中止する事は、必らずしも敗北では無い。
 軍港建設と平和建設との対決である。
 政府と民衆との衡突である。
 殺人と救済との競争である。
 政府が軍拡競争を政策とする事は限界がある。
 民衆が平和を希望する事は際限が無い。
 たとえ暴力、権力が一時勝利を収めても、それは春の夜の夢に過ぎない。
 非暴力運動、平和建設の精神的原則たる宗教の生命は寿命無量である。
 いかなる困難をも「忍」の一字を以って受け止めて、やがて花咲く春を待つ。
 最後の勝利は彼岸に在る。
 工事禁止命令の敗北はその時にわかる。
 其の時の審判は、善か悪かの分別である。
 暴力、権力の発動が善であった例は無い。それを想う時に、我等には、いかなる情況の下に在っても、敗北を感ぜない。
 勝利の時間的展開を待つ計りである。
 いつも勝利である国家権力を恐れて、諫暁せざる者が、所謂敗北者である。
 宝塔建立も、平和者の大集会も、国家権力の非道を諌暁する所以である。
(『天鼓』昭和五十七(1982)年五月号111頁より)
< 諌暁 >
諌め、暁すこと。
恩師山主法話『日本山一門は国家権力の非道を恐れず諌暁せよ』は、米国シアトル宝塔建立工事中止命令が裁判所より通達されたことに対してのものであります。昭和57年4月8日 奈良県吉野山における御消息文です。
いつも勝利する国家権力に、敗北感を味わい続けている私たちに対する大きな励みとなり、ご祈念の心構えと指針をお与えいただいた法話でもあります。